日本人は鯛が大好き、えびも好き、アワビもイカも好き、
おめでた好きです。そのうちのアワビのこと。

ヲアワビ(鮑、蚫、鰒)ヲ
縄文時代から食べていました。アワビは乾燥して保存出来たから便利だったのです。
奈良、平安の頃には、高級贈答品として珍重されていました。
熨斗鮑(ノシアワビ)は、アワビの肉を長くそいで乾燥させて伸ばしたもので、
長く伸びることから延命、悠久、長生不死の薬とみなされました。


ヲ 餅 ヲ
月に仙薬を搗く兎
ハレの日に餅をつく習慣は、五穀の最上に位置する米(稲)に対する日本人の信仰です。月の中で兎の搗いているものは?
日本では勿論お餅ですが、中国の古い文様には、薬種を搗いていて
薬をつくっている兎の可愛い図があります。

餅菓子といわれるもの(果物の水菓子に対する)は、江戸後期には、ほぼ出揃い完成しています。最も古くからあったとされる餅菓子と
して「椿餅」(つばいもち)があります。
源氏物語-若菜より
椿餅、梨、柑子ようの物ども、さまざまに箱のふたどもに取り
て、、、と、雅びな若い人が賑やかにおやつを楽しんでいる情景
が描かれています。



お正月のおめでたい色と言えば、「赤」ですね。「赤」の原義…明るさ、いのちの初源、血の色、太
陽、ハレとあります。
「赤」
は、古代より染料にせよ、漆にせよ、貴重なものでした。権威の象徴であり、そこから魔よけ
や、繁栄を意味する色とされてきました。「赤」といっても赤さの認識の総称的なもので、様々な種類の色があります。
紅(くれない)…ベニバナで染めた鮮やかな赤です。

ベニバナは、西アジアの原産のキク科の一年草です。
四千年以上前のエジプトのミイラもベニバナ染めの布に包まれていまし
た。
中国を経て日本に伝わり、山形県最上地方が古くからの産地です。

茜色(あかねいろ)…アカネで染めた暗い赤です。

アカネの名は、その「赤い根」に由来しています。
四千五百年前のインダス文明、モヘンジョダロ遺跡からも、アカネ染めの
木綿が出土しています。

埴(はに)…人類が行った、最古の色彩に使われた赤い土色。

最古の彩色人骨は、五万年以上前のラスコー壁画の赤土の色です。
日本でも、映土(はに)、埴生色(はにゅういろ)と言い、埴輪に使われ
ている埴が、この赤土の事です。

弁柄色(べんがらいろ)…日本画の赤の代表。

インドのベンガル地方の土の色です。
中国山西省代県の土の色は「代赭色たいしゃいろ」で、日本画の赤の代表
です

朱(しゅ)…紅、緋より、さらに黄みによった赤です。

水銀と硫黄の化合物です。古代から権威の象徴となる色です。
ジャパニーズレッド=朱塗りの漆器の色にあたります。
「丹朱」は、古来辟邪(魔よけ)のマジカルな力を持つものと考えられ、
前田青邨画の<石棺の武人>の棺内部の赤色は印象的です。

(緋色(ひいろ)…茜染のわずかに黄みをおびた鮮やかな赤。

火に通じて「火色」とも書き、「思ひ」の「ひ」にかけて「思いの色」と
も呼ばれ、熱い情熱をたとえたものでしょう。
また、戦国武将の陣羽織にも使用されています。
中世の赤緋縅(あかいとおどし)の鎧や、歌舞伎舞台の緋毛氈(ひもう
ん)の色にあたります。






〒111-0036 東京都台東区松が谷3-21-7 ローザス・フジ1F
TEL:03-5806-3388(代) FAX:03-5806-3466
e-mail : info@taiko-do.co.jp