冬は、巡る季節の終り、力を蓄え春にそなえる季節です。
暗く、きびしい。だからこそ、内には熱い思いを…。

・初冬と 詠みてさびしさ ゆえ知らず  富安風生
・玄冬の鷹 鉄片のごときかな   斉藤 玄
      暗く重い天空を切り裂くように翔ぶ冬のタカ、えものか…?





  

★シグナルとシグナレス
シグナレスはほっと小さなため息をついて空を見上げました。空にはうすい 雲が縞になっていっぱいに充ち、それはつめたい白光を凍った地面に降らせ ながら静かに東に流れていったのです。
★雪渡り
「堅雪かんこ、凍み雪しんこ」お日様が真っ白に燃えて百合の匂いを撒き 散らし、又雪をぎらぎら照らします。「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。 狐の子ァ嫁ほしい、ほしい。」と四郎とかん子は森に向って高く叫びました。

★水仙月の四日
雪狼(ゆきおいの)どもは頭をふってくるりとまわり、また真っ赤な舌を 吐いて走りました。「カシオピィヤ、もう水仙が咲き出すぞ。お前のガラスの 水車(みずぐるま)きっきとまわせ!」雪童子(ゆきわらし)は、真っ青な空 に向って見えない星に叫びました。
★インドラの網
「ごらん、蒼孔雀(あおくじゃく)を。」まことに空のインドラの網の向う、 数しらず鳴りわたる天鼓(てんこ)のかなたに、空いっぱいの不思議な大きな 蒼い孔雀が、宝石製の尾羽をひろげ、かすかにクウクウ鳴きました。


美しい冬の言葉 〜歳時記より〜
冬ざれ・・・・・・・・・・ 冬の万象荒涼とした寒々しさ。
冬ざれば→冬されば。冬になればの意味。
冬ざれ(曝)と発音したことによって、風雨にさらされて白々となる意味にもなって、冬枯れのもの淋しさの形容となりました。
寒 昴(かんすばる)・・・ 冬のスバル。枕草子に「星は昂…」とあって昔から愛された星です。
天 狼(てんろう)・・・・ シリウスの中国名。漢字の方がカッコいい?古代エジプトでは、この星が地平から現われるとナイルの氾濫が起るということで恐れました。
山眠る・・・・・・・・・・ 春の「山笑う」に対する言葉です。
短 日(たんじつ)・・・・ 春は日永(ひなが)、夏は短夜(みじかよ)、秋は夜長(よなが)



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