この季節の事を、古代の人はどうしてアキと言ったのでしょう。早速、広辞苑を引いてみますと、一説に、空が清く、明らか(あきらか)になる季節だからか...とありました。なるほど......

そこで「秋」といえば、秋空 −柿の梢の鈴なりの実− −柿羊かん− −香りのよいお茶− −しまい忘れの風鈴......
いろいろありますが、まずは柿のことから。

平安の頃、柿といえばまだ渋柿でした。
渋を抜く工夫や干し柿作りなどをして おやつにしたのです。

けれど王朝の風雅な歌人は鄙びたその実よりも
紅葉した葉の美しさを好んだようです。
実際、驚くほど美しいですね。
(秋の絵手紙には最適)

カキは日本の色名ですが、外国でもKAKIです。
柿色の呼び方も照柿、紅柿、薄柿、洒落柿、黒柿、渋柿といろいろ。
歌舞伎の幕の一色も渋い柿色です。
柿渋汁を布や紙に塗って、防水、補強の役にも使用しました。

ところで、これは余談ですが、中世の頃は、
アウトローの色とされていたこともあります。
雨月物語の白峯に、
「柿色のひどくすすけた色の御衣」をまとった
崇徳上皇のお姿...とありますが、
上皇は既に幽界の怨霊となった方です。
そんなことで中世の日本人の色彩感覚の中に、
暗い柿色は異端の色だったようです。

歌舞伎の幕

美しい秋の言葉〜歳時記より〜
  
待宵(まちよい)・・・・宵(月の出)を待つ心
草紅葉(くさもみじ)・・小さな草々の紅葉
月の船・・・・・・・・船の形になった三日月
夜長・・・・・・・・・しみじみと長い秋の夜
笑栗(えみぐり)・・・・イガがはじけて微笑んで見える栗
色無き風・・・・・・・澄明な寂しい秋の月

お月見
  陰暦8月15日の月が一番美しいとされる中秋の名月。
秋の収穫物を月の神と共に食するという風習。
秋の彼岸(秋分の日)
  秋分の日9月23日前後7日間を彼岸といい、秋分の日が中日。
おはぎを供えたり墓参りに行ったりして先祖を偲びます。
衣更え
  10月1日、薄物から厚めの衣服に替えます(夏服→冬服の制服)
敬老の日
  9月15日 この日に限らず敬老の心をいつでも持っていたい
     ものです。

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おはぎ

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